WORK&PERSON

仕事と人を知る

CROSS TALK

エンジニア職座談会

人々の生活に欠かせない紙を取り扱い、品質・コスト・納期を担保しながら、工場の操業を推進するエンジニアたち。
今回は、入社2年目・3年目の若手社員3名に、仕事のやりがいや今後挑戦したいことについて語り合ってもらいました。

小木庸徳TSUNENORI OGI

王子製紙春日井工場
パルプ部パルプ課
基礎工学部材料工学科卒
2019年入社

※所属は取材当時のものです

抄紙の上流工程を担うパルプ部パルプ課に所属。木質チップを煮て木質繊維を取り出し、それを漂白してパルプを仕上げる工程において、安全かつ低コストで操業するための、さまざまな管理業務を行う。

大久保瞭RYO OKUBO

王子製紙春日井工場
施設部設計グループ
工学部電気電子工学科卒
2020年入社

※所属は取材当時のものです

工場内の設備更新を行う施設部設計グループに所属し、主に電気設備を担当する。メンテナンス部門の要望にもとづき、設備の改造や更新に関する仕様や予算を検討し、計画を立案。工事管理も行っている。

廣瀬真帆MAHO HIROSE

王子ネピアパーソナルケア生産本部
名古屋工場製品部おむつ課
農学部農学科卒
2020年入社

※所属は取材当時のものです

製造の効率化を図るため、機械トラブルを未然に防ぐ方法や、製品の品質を維持する方法を考え、操業のサポートを行う。特におむつは乳幼児の肌に直接触れるものなので、細心の注意を払って業務に取り組んでいる。

CROSS TALK.01

王子グループに
入社を決めた理由は？

小木: ふたりは、なぜ王子グループに入ろうと思ったの？

大久保: 僕は、製紙業が人々の生活の基盤となる産業で、かつ王子グループが持続可能な社会を目指している企業である点に魅力を感じました。

廣瀬: 私は面接が決め手になりましたね。形式張ったものではなく、過去の経験や入社後の働き方についてリラックスした雰囲気の中で話せたので、安心感がありました。小木さんはどうですか？

小木: 僕は基礎工学部材料工学科の出身で、就職活動の初期では、志望対象ではなかったんだけど、就職活動中のふとしたときに、身近にある紙という素材に興味を持ったのがきっかけかな。最終的には、工場見学の際に出会った先輩社員の気さくな人柄に惹かれて、入社することにした。

大久保: そうなんですね。工場見学は僕も印象深いです。王子グループって大きな会社だし、工場自体も大きいんですけど、意外と少人数で動かしてるんだなと、そのとき思いました。

廣瀬: 少数精鋭だと思います。そのためか、メンバー間の連携の強さを感じますよね。

CROSS TALK.02

実際に働きはじめて
感じたことは？

大久保: 入社後、僕が最初に配属されたのは設備のメンテナンス部門だったんですけど、設備メンテナンスが工場の安全や安定操業のベースであることを叩き込まれました。今の部署で設備更新の計画を立てる際、その経験がとても役立っています。

小木: 春日井工場の敷地面積は88万㎡で、それこそひとつの街くらいの広さがあるし、50年近く前の施設や設備が現役だったりするから、更新作業もたいへんだよね。

大久保: そうなんです。たとえばエアコンの更新だと、熱負荷計算を行って最適な能力の製品を選んで、いかにコストを抑えるか、についても考えないといけません。

廣瀬: 大久保くんの設備更新とは少し違いますけど、私は研修の一環で設備の一覧表を作成したことが特に思い出深いです。設備の名称や特性、設置場所など、詳細を示したものはこれまでなかったので、先輩からはとても好評でした。

小木: トラブルを未然に防ぐためにも、そういう一覧表は有効だと思う。たとえば釜やタンクの中の材料は目視できないから、計測器の数値に頼るしかないし。生産量やコストの管理を行う僕の仕事でも、設備の特性を知ることは重要になるよ。

廣瀬: なるほど、やっぱり意味があるんですね。エンジニアの仕事って地道というか地味なんだな、って当時は感じてましたけど（笑）

CROSS TALK.03

仕事のやりがいや
おもしろさは？

小木: 王子グループって、若手のうちから大きな裁量権を持たせてもらえるよね？

大久保: はい、それは常々感じています。設備更新の中には1億円を超えるような案件もあって、やっぱり金額に比例してプレッシャーも大きくなりますね。ただ、上司や先輩がサポートしてくれるので、思いきってチャレンジすることができます。

小木: なるほど。僕の場合は、先輩から引き継いだ操業管理の解析方法を自分なりにアレンジして、会議や報告の場で提出したりしてるんだけど、そういう試みに対して応援や助言をもらえるのは、やっぱりうれしいな。

廣瀬: 小木さんはプログラミングを勉強されてるんですよね。独学でやってて、しかもそれがちゃんと仕事に活かされてるって、すごいなと思います。

小木: データを自動で更新できるシステムがあると便利だし、業務の効率化にもつながるからね。ところで、廣瀬さんはどんなところにやりがいやおもしろさを感じる？

廣瀬: そうですね、仕事の成果が製品という目に見える形で現れるところ、ですかね。特に私が携わる製品は身近にあるものが多くて、外出先のトイレで赤ちゃんがネピアのおむつを使用しているのを見たときはうれしくなりました。もちろん、そのぶん品質に対する責任は大きくなるので、気を引き締めて仕事する必要があると感じています。

大久保: エンジニアって、工場とか設備とか、目の前のものにどうしても意識を向けがちですけど、そこで生まれる製品や、それを使ってくださるお客様の顔を想像しながら仕事をするのは大事だなって、廣瀬さんの話を聞いていて思いました。

CROSS TALK.04

今後挑戦したいことは？

廣瀬: 今回の座談会であらためて感じたのは、王子グループはグループ内にたくさんの会社や部署があるので、いろんな知見を共有できるのが強みだということですね。たとえば環境問題の観点からプラスチック包装を紙に切り替える動きも、全社として取り組んでいます。私自身、まずは今の部署でひとり立ちすることが最優先ですけど、将来的には、複数の部署で知識や経験を積みながら、ずっと好奇心と探究心をもって働き続けたいと思っています。

小木: 確かに。王子グループにはエンジニア職のほかに営業部門や管理部門を担う事務営業職や研究職もたくさんいて、それらの人材が有機的につながっているのが特長だよね。今後挑戦したいことについて、大久保くんはどう？

大久保: 僕が普段の仕事で意識しているのは、50年先の使用を見据えた設備更新なんですよね。そんななか、いつかは海外での新工場立ち上げに携わりたい、という思いが芽生えました。それを実現するためにも、設備単体ではなく工場全体のことを考えながら、日々の仕事に打ち込んでいきます。また、スキルアップの一環として、第一種電気技術者の資格を取得したいと考えています。

小木: 僕が個人的に課題に感じているのは操業要員の高齢化で、これまで培ってきた技術が継承されない可能性があることなんだよね。技術伝承はどうしてもアナログ的になってしまうけど、さっき話したプログラミングを駆使しながら、一定の領域についてはデジタル化できないかなって試行錯誤してるところ。

廣瀬: AIの導入も進みそうですけど、ただ作業を効率化すればいい話でもないでしょうし、難しいところではありますね。

大久保: それでもデジタル化は私たちが進めていかなければならないと思うので、意欲的に関わっていきたいですね。

小木: ふたりの前向きな気持ちに触れて、僕ら若手社員で今後の王子グループを盛り立てていかないとなって、あらためて思った。